第38回全国総会で議案を補強した小沢隆一東京慈恵会医科大学名誉教授の発言は以下のとおりです。
「核抑止論の欺瞞、9条改憲は許さない」
議案では、核抑止力論が、抑止とはまったく逆の脅迫力であって、戦争力であると指摘し、核兵器の非人道性の強調が必要だと述べています。加えて、この核抑止力論の「神話性」の解明こそが重要です
今のロシアやイスラエルの軍事行動の暴虐性の背景には核戦力があります。そして「拡大核抑止」は、核保有国に核の先制攻撃を求めるものです。オバマ大統領による2016年の先制不使用の宣言に反対を表明したのは他ならぬ日本政府でした。このように、非核保有国は「核の傘」のもとにある限り、核使用の抑制とは逆のことを志向してしまうわけです。核抑止力論は、実は矛盾に満ちたまさに神話にもとづいた考えであることを徹底的に明らかにすることが重要です。
議案では、軍事ブロックは、核戦争を誘発する危険性を内包していると述べています。ソ連崩壊、ワルシャワ条約機構の解体後につくられた欧州安全保障協力機構(OSCE)が機能していればロシアによるウクライナ侵略は防げた。軍事ブロックの解体の重要性は強調してもしすぎないと思います。
日米安保体制では、日米共同作戦の場合にアメリカが指揮権を振るうことが約束されているにもかかわらず、日本政府側の意向によって口頭了解、密約とされました。4月の日米共同声明での米軍と自衛隊の司令部機能の強化と「シームレスな統合」は、まさにこの問題が表に現れてきたものです。岸田首相は、日本とアメリカは各々の系統にもとづいて指揮権を振るうと、密約を今日も維持しています。このような状況は日本国憲法に背いて、日米安保条約を結び、日米指揮権を闇で構築していることから生まれています。
武器輸出の問題や経済安保の問題を政府は次々と不当に強行していますが、アメリカと軍事同盟を結ぶ他国と比べると、日本政府の動きは「周回遅れ」です。ここに日本国憲法の価値が見えてくるのです。
日本の防衛産業は、アメリカの軍事産業などに比べて武器生産の依存率はかなり低い水準ですが、それは憲法9条であり、国民の世論の力であると思います。
改憲論でも、9条改憲を前面に押し出せないがための緊急事態改憲ですが、しかし、実際に緊急事態の中で国会議員や大統領の任期延長をやってるのは、ロシアの侵略によって戒厳令を敷いたウクライナです。結局、任期延長改憲論は戦時仕様に憲法を作り変える企みです。任期延長にとどまらず、非常事態における政府への権限集中と国会のスキップはまさに9条改憲とセットの企みです。
私たちは、改憲派の議論の矛盾、問題点を徹底的に突いて、改憲阻止の大きな世論を作り上げていくことが重要です。
