核威嚇の逆流許さず、NPT合意の前進へ役割果たせ

第11回NPT再検討会議第2回準備委員会に向けて日本政府に要請(24.7.16)


政府に要請を行う非核の政府を求める会の代表ら
=7月16日、外務省

 第11回核不拡散条約(NPT)再検討会議第2回準備委員会が7月22日からジュネーブで開かれるのを前に、非核の政府を求める会は7月16日、外務省を訪れ、日本政府への申し入れを行いました。
 要請の内容は、▽核兵器使用の威嚇や近代化など、「核兵器のない世界」への逆行に厳しく抗議すること、▽同準備委員会が、核兵器国にNPT第6条、および核兵器全廃に向けた合意の実行を促す場となるよう役割を果たす、▽核兵器禁止条約への参加を明言し、全NPT締約国に核兵器禁止条約参加を促す、▽核兵器の保有と使用を是認する「核抑止力」依存政策からの脱却、▽「非核3原則」を厳守し、「日米核密約」を破棄する――の5項目。
 申し入れには、石川敏明、斎藤俊一、野口邦和の各常任世話人と川村好伸事務室長が参加。笠井亮日本共産党衆院議員(同会常任世話人)が同席しました。
 外務省は深澤陽一外務大臣政務官らが応対。深澤政務官は、要請を「しっかり受け止める」「過去の合意の履行を重視している」としつつ、核兵器禁止条約や「核抑止力」に関する従来の見解を繰り返しました。
 参加者からは、「核抑止力は戦争する手段となっている。核戦争の脅威をなくすための被爆国の発言力は大きい」「核兵器禁止条約を出口と言うなら、入口で足を止めないで第3回締約国会議にはオブ参加を」「来年の被爆80年にむけ、核兵器のない世界に一歩足を踏み出すべきだ」と、被爆国にふさわしい役割を果たすよう再度求めました。


第11回NPT再検討会議第2回準備委員会
に向けての日本政府への申し入れ(全文)

 第11回核不拡散条約(NPT)再検討会議(2026年)に向けた第2回準備委員会(7月22日~8月2日、ジュネーブ)が、核兵器の近代化や使用の危険性の増大などの逆流が生まれているなかで開催されます。当会は、日本政府が、唯一の戦争被爆国、憲法9条を持つ国にふさわしいイニシアチブを発揮するよう求めます。
 2022年の第10回NPT再検討会議は、ロシア1国の反対で採択こそされなかったものの、最終文書案には「核兵器の使用がもたらす壊滅的な人道的結末への深い懸念」や「すべての締約国がNPT第6条の下で約束している核軍備撤廃につながる核兵器の全廃棄を達成するという核兵器国による明確な約束の再確認に留意する」ことが明記されました。核兵器禁止条約(TPNW)についても、〝条約の発効とその第1回締約国会議開催を「認識」する〟との文言が最後まで残ったことは、核保有国も事実上、NPTとTPNWの相互補完性を認めざるをえないことを示し、今後の論議を新たな段階に進めるものと言えます。
 昨年末のTPNW第2回締約国会議は、94ヵ国の政府、被爆者や市民社会の代表が、「核抑止力」を非難し、「核兵器の禁止を堅持し、その破滅的な結果を回避するための私たちの誓約」(政治宣言)を全会一致で採択し、成功をおさめました。
 今回の第2回準備委員会は、TPNWが「核兵器のない世界」へとすすむ大きな〝希望の光〟となっているもとで開かれます。一方で、ロシアによる核兵器使用威嚇の発言や戦術核兵器演習の強行、米国による未臨界核実験など、これまでのNPT再検討会議で幾度も確認されてきた核軍備縮小・撤廃の合意に反する事態が相次いでおり、核保有国の責任がかつてなく厳しく問われています。
 日本政府には、核兵器使用がもたらす惨劇を防止する唯一の確実な方法は核兵器の禁止・廃絶しかないという立場で、唯一の戦争被爆国ならではの役割を果たすことが強く求められています。改めて以下の事項を強く申し入れます。

(1)核兵器使用の威嚇や戦術核兵器の他国配備、核兵器の近代化など、核保有国による「核兵器のない世界」に逆行する行動に厳しく抗議すること。
(2)第2回準備委員会が、核保有国に対して核不拡散条約(NPT)第6条、および2000年、2010年NPT再検討会議で確認された核兵器全廃に向けた「合意」の誠実な履行を促す場となるよう、積極的な役割を果たすこと。
(3)第2回準備委員会に向けて、日本政府が核兵器禁止条約(TPNW)に参加することを国際社会に明言すること。その立場で、TPNW未参加のすべてのNPT締約国に署名・批准を促すこと。
(4)核保有国による核兵器の保有と使用を是認する「核抑止力」依存政策から脱却すること。
(5)「非核3原則」を厳守し、「日米核密約」を破棄すること。

2024年7月16日

内閣総理大臣 岸田 文雄 殿
外 務 大 臣  上川 陽子 殿