世界情勢が不安定化する中、核兵器のない世界へのコミットメントを強化する
核兵器禁止条約第3回締約国会議宣言 2025年3月7日
1. われら、核兵器禁⽌条約(TPNW)の締約国は、カザフスタン共和国による議⻑国の下、2025 年3⽉3⽇から7⽇までニューヨークの国際連合本部で開催された第3回締約国会合において、核兵器がもたらす⼈類存亡の脅威に対処するという揺るぎない決意を再確認した。
2. この会合は、核兵器が初めて実験され使⽤されてから 80 年⽬のこの年に開催されるという、深い歴史的意義を持っている。われらは、広島と⻑崎の⼈々に対する核兵器の破滅的な影響を厳粛に想起し、核時代の幕開け以来、核兵器とその実験計画の影響に苦しんできている数え切れない犠牲者と⽣存者とを認識する。核兵器の壊滅的な⼈道上の結末に対する認識とその防⽌、そしてそれを防ぐという信念は、条約の実施と核軍縮の推進に向けたわれらの活動を導き続けるものでなければならない。
3. 地政学的な緊張の⾼まり、核軍備のさらなる拡張と近代化、安全保障の保証を含む軍事と安全保障ドクトリンにおける核兵器の重要性の⾼まり、そして核拡散の危険性と潜在的に破滅的な核軍拡競争の危険性の増⼤は、国際社会による即時かつ断固とした⾏動を必要としている。同時に、世界終末時計は現在、真夜中まで残り89秒という時刻を示している。前例のない相互関連性と複雑性を備えた世界的な課題が⼭積する中、差し迫った核紛争の脅威は依然として⼈類の⽣存に深く関わる脅威であり続けている。TPNWは、こうした激動の時代における希望の光である。
4. われらは、ウィーン(2022年6⽉21⽇〜23⽇)とニューヨーク(2023年11⽉27⽇〜12⽉1⽇)で開催された締約国会合のそれぞれ第1回および第2回の成果を祝うとともに、そこで採択された宣⾔と決定に対する私たちの約束を改めて確認する。これらの宣⾔と決定は、われらの共同の努⼒を導き続ける。
5. われらは、署名国およびオブザーバー国の参加を歓迎するとともに、その他のオブザーバー、市⺠社会、科学界、学術界、個⼈、宗教指導者、核兵器の使⽤および実験の⽣存者の参加も歓迎する。国際⾚⼗字・⾚新⽉運動、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)をはじめとする、幅広い利害関係者の積極的かつ多様な関与は、われら共同の影響⼒を強化し、核軍縮への緊急な要請をさらに広げている。
6. 世界の平和と安全の維持に不可⽋な国際法と多国間協⼒が損なわれつつある地政学的不確実性の時代にあって、多国間制度の強さと信頼性は世界の平和と安全にとって極めて重要である。より安全で平和な未来の実現に向けた新たな約束が不可⽋である。国際連合が設⽴され、核兵器の全廃を求める最初の国連総会決議1が採択されてから80年が経過した今、このことはこれまで以上に急務となっている。
7. 同時に、⻑年にわたって築かれてきた軍縮および核不拡散体制は浸⾷され、軍備管理協定は破棄され、軍事的な態勢は硬化し、既存の世界的な安全保障体制はさらに弱体化しつつある。緊張感が⾼まり、分極化が進む国際安全保障環境は、信頼と意思疎通の⽋如と相まって、核兵器使⽤の危険性をさらに⾼めている。対話を再開し、信頼と信義を回復し、核軍縮への取り組みを再開し、⼈類全体に壊滅的な結末をもたらす核の瀬⼾際政策への回帰を防ぐために、緊急の⾏動が必要である。
8. このような世界的な動向は、われらの共同の対応を求めている。この不安定な環境において、⾮核武装国の⼤多数は、隔たりを埋め、外交を促進し、多国間主義を強化する上で、ますます重要な役割を果たすようになっている。TPNWの擁護者および担い⼿として、その締約国は、核兵器による⽣存に対する脅威を除去するべく、国際社会が団結して⾏動するよう絶え間なく努⼒し、この条約が核軍縮の推進に不可⽋な要素であり続けるよう取り組んでいる。
9. われらは、締約国によるウィーン⾏動計画の実施に向け⼤きな進展が継続していることを歓迎する。さらに、⾮公式作業部会の共同議⻑、ファシリテーター、ジェンダー・フォーカル・ポイントおよび締約国の安全保障上の懸念に関する協議プロセスのコーディネーターの献⾝的なリーダーシップを評価する。
10. われらは、94の署名国と73の締約国とともに、条約の普遍化に向けたさらなる進展を認め、歓迎する。この観点から、われらは、ソロモン諸島による最近の署名、インドネシア、サントメ・プリンシペ、シエラレオネ、ソロモン諸島による批准の重要性を認め、かつこれを温かく歓迎する。われらは、条約の普遍化を優先課題とする約束を再確認し、まだこの条約に署名、批准または加⼊していない全ての国に対して、速やかにこれを⾏うよう求める。
11. われらは、科学諮問グループ(SAG)による重要な貢献を歓迎する。同グループは、証拠に基づく知⾒を強化し、より広範な科学界とのネットワークを構築し維持することで、条約の認知度を⾼め、その普遍化を促進する上で重要な役割を果たしている。
12. われらは、条約のジェンダー条項に関する約束を再確認し、⼥性と男性双⽅の完全かつ平等で有意義な参加が、核軍縮を推進し、核兵器のない世界を実現するためには不可⽋であることを認識する。
13. われらは、国境を越え、⼈類の⽣存と福祉に深刻な影響を及ぼし、⽣命に対する権利と両⽴しない、核兵器による⼈道上および環境上の壊滅的な結末に対する重⼤な懸念を再確認する。これらの結末は、新たな科学的証拠によって裏付けられている。この研究の蓄積からは、核兵器の影響が、これまで理解されていたよりも深刻で、連鎖的で、⻑期的で、複雑であることが確認されており、これは、環境、社会経済の持続可能な発展、世界経済、⾷料安全保障、そして現在と将来の世代の健康に対する⻑期的な被害を伴う。その中には、核兵器が、⼥性や少⼥に対してもたらす(電離放射線に起因するものを含む)、そして乳幼児にもたらす(特に核兵器の影響について脆弱であることに由来する)不均衡な影響も含まれる。
14. われらは、このような壊滅的な結末には⼗分に対処することができないことを強調する。核兵器の使⽤を防ぐ唯⼀の保証は、その完全な廃絶である。核兵器に関連する壊滅的な⼈道上の結末とリスクは、核軍縮の道徳的および倫理的要請と、核兵器のない世界を達成し維持することの緊急性を下⽀えするものであり、これらは、条約の成⽴を促す要因の⼀つとなり、かつその実施を導くものである。われらの活動は、この諸原則に導かれ、科学的証拠に基づいたものであり、また、そうでなければならない。この点において、われらは、国連総会が最近、核戦争の影響に関する独⽴科学パネルを設⽴したことを歓迎し、その調査結果を期待している。
15. われらは、すべての国家が、核軍縮を達成し、あらゆる側⾯における核兵器の拡散を防⽌し、核兵器の使⽤または使⽤の威嚇を防⽌し、そして、国際法および⼆国間協定に基づくそれぞれの義務に従って、核武装国による過去の使⽤および実験により⽣じた被害者の援助、被害の是正ならびに環境破壊の修復を援助する責任を共有していることを再確認する。
16. われら、TPNW 締約国は、広島と⻑崎の⼈々(被爆者)および核実験にさらされた世界中の多数の地域社会が経験している、核兵器の使用と実験による被害者の甚⼤な⼈間の苦しみと重⼤な被害を認識している。
17. われらは、TPNW の⻑期にわたる⽀援者であり提唱者である⽇本被団協が、核兵器のない世界を実現するためのその努⼒と、⼆度と核兵器が使われてはならないことを証⾔によって⽰してきたことが評価され、2024年のノーベル平和賞を受賞したことを祝福する。
18. 2,000 回を超える核爆発実験が世界中で実施され、21世紀に⼊ってからも継続している。われらは、核兵器の使⽤と実験の結末が、国境を越え、環境を汚染していること、社会経済の発展を妨げ、⾷料安全保障を脅かし、現在および将来の世代の健康を損ない続けていることを認識している。TPNWの多数の締約国を含む、数百回の核実験の被害に苦しんでいる⼈々の経験は、放射線の健康と環境に及ぼす影響が⻑期間にわたって有害であることを如実に⽰している。
19. われらは、核実験禁⽌の国際的なタブーを損なうようなレトリックや⾏動を、核抑⽌という誤った考えを補強する⼿段となるものを含め、⾮難する。われらは、いかなる理由があろうとも、またいかなる⼝実があろうとも、核実験を再開してはならないと確信し、再確認する。それゆえ、すべての国に対し、核兵器実験を禁⽌する国際的な規範を維持し、核実験という恐ろしい負の遺産を歴史に葬り去るよう強く要請する。
20. われらは、核兵器の使⽤および実験による被害に対処することに引き続き取り組む。その中には、TPNWの積極的義務(第6条および第7条)を通じた取り組みも含まれる。われらは、これらの規定を運⽤するために締約国がとった措置を称賛し、核兵器の使⽤および実験により被害を受けた⼈々を⽀援するために必要な資源を配分するメカニズムを確⽴する必要性を認識する。核兵器の使⽤や実験から数⼗年が経過した今もなお、影響を受けた多くの地域が援助や環境修復を待ち続けていることは容認できるものではない。われらは、TPNW 締約国として、とりわけ、他の可能なメカニズムのなかでも、被害者援助および環境修復のための、実⾏可能で効果的かつ持続可能な国際信託基⾦の設⽴の可能性や実現性に関する議論などを通じて、この条約の積極的義務の実施を推進することで、⾃らの役割を果たしつつある。
21. 包括的核実験禁⽌条約(CTBT)の発効は不可欠であり、⻑らく遅れている。同条約は、TPNW第1条に含まれる核兵器実験の禁⽌を補完するものとなる。さらなる先延ばしは容認できないため、われらは、附属書二に記載されたすべての国に対して、これ以上の遅滞もなく、前提条件もその他の制約もなく、同条約に署名し批准するよう呼びかける。われらは、CTBTに署名も批准もしていない、あるいは署名はしているが批准していないすべての国、特に条約の発効に必要な批准を⾏っていない国に対し、遅滞なく署名し批准するよう強く要請する。われらは、同条約の新たな批准を歓迎し、包括的核実験禁⽌機関(CTBTO)〔 準備委員会〕の貴重な取り組みと、CTBTの普遍化に向けた努力への積極的な貢献に感謝の意を表する。
22. われらは、第2回締約国会合以来、有意義な削減がまったく行われないまま、依然として9カ国が1万2000発以上の核弾頭を保有していることに深刻な懸念を抱いている。これらの兵器の多くは、⾼度警戒態勢にあり、数分以内に発射可能な状態にある。すべての国、特に核兵器を保有する国には、核兵器の完全廃絶を達成するための多国間交渉に緊急に取り組む責任がある。
23. われらは、⽶国とロシアという地球上の2⼤核軍備を抑制する手段である⽶露戦略攻撃兵器削減条約(新START)の後継条約が存在しないことを懸念する。同条約は1年足らずで失効する。われらは、特に核兵器不拡散条約(NPT)の寄託国たる両国に対して、その核軍備と運搬手段のさらなる削減を含む後継条約の交渉を早急に開始し、締結するよう強く要請する。
24. われらは、核兵器拡散の高まるレトリック、安全保障ドクトリンにおける核抑止への依存の増大、そして現在も続く核兵器の保有などを含む、国際情勢の展開に警鐘を鳴らし続ける。核兵器の保有を恒久化しようとする試みは、核不拡散と核軍縮の進展に悪影響を及ぼす。核抑止は、すべての人々の生存を脅かす核リスクの存在を前提としている。意図的であれ偶発的であれ、核兵器のいかなる使用も壊滅的な人道上の結末をもたらすことになる。
25. われらは、いかなるものであれ、非核武装国の領域における核兵器の配備を憂慮する。われらは、そのような核兵器の取極を行っているすべての国に対して、その終了を強く求める。TPNW は、核兵器の開発、核兵器もしくはその管理の受領、または核兵器の配置、設置、配備の許可を明確に禁止している。
26. ⾮核武装国に核兵器を開発するよう求めることは、軍縮および核不拡散の義務と約束に矛盾し、それを損なうものである。
27. われらは、核兵器の使用または使用の威嚇は、国際連合憲章を含む国際法に違反し、容認できないものであり、国際人道法に反するものであることを強調する。われらは、軍縮、不拡散および国際の平和と安全を損なう核の威嚇や、ますます過激化する核のレトリックを断固として⾮難する。私たちは、明示的か黙示的かを問わず、またいかなる状況下のものであれ、あらゆる核の威嚇を明確に非難する。
28. 核兵器は、核兵器を保有しているか、核抑止に賛成か断固反対かにかかわらず、すべての国の安全保障、ひいては国の存在そのものに対する脅威である。核兵器に内在する危険性と、その国境を越える世界的な結末は、すべての国の安全保障が核兵器によって脅かされていることを明らかにしており、したがって、すべての国は核兵器の完全廃絶を緊急の安全保障上の関心事としている。一部の国が軍事および安全保障の概念、ドクトリン、政策において核兵器に依存し続けることは、世界的な安全保障を損ない、エスカレーションのリスクを高め、核拡散のリスクを増大させる。
29. それゆえわれらは、核兵器に関する限り、核兵器に関するレトリックを通常化しようとする試みや、いわゆる「責任ある」行動の概念を一切受け入れないことを主張する。大量破壊をもたらすという威嚇は、人類全体の正当な安全保障の利益に反する。いかなる国または行為主体も、明示的であれ黙示的であれ、⼤量破壊兵器によって人類の⽣存を脅かす権利を有しない。核の威嚇は容認できない。
30. われらは、2024年9月の第79回国連総会において開催された「未来サミット」の成果⽂書である「未来のための協定」に、核兵器の明確な拒絶が盛り込まれたことを歓迎する。これには、「核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならない」という全国連加盟国の合意、および核兵器の完全廃絶への約束の再確認が含まれている。TPNW締約国は、核兵器のない世界という目標を前進させるために、この呼びかけに耳を傾ける。
31. 人間の基本的ニーズを満たすことが依然として課題である世界において、核兵器の近代化と拡大に膨大な財源を継続的に費やすことは正当化できない。これらの資金は、貧困や公衆衛⽣、持続可能な開発目標の達成に向けた取り組みなど、差し迫った世界的な課題への対応に再配分されるべきである。
32. われらは、核軍縮を前進させるための緊急の追加措置について、NPTの2回にわたる再検討プロセスで合意に至らなかったことを遺憾に思う。代わって、核軍備の増強と透明性の低下が⾒られる。われらは、すべての核兵器国に対し、NPTの下での拘束力のある義務、特に第6条、および関連する義務の履行を進展させるよう促す。これには、核軍備の完全廃絶を達成するという核保有国の明確な約束も含まれる。2026年のNPT再検討会議が近づくなか、NPTの完全履行、特に軍縮の柱となる部分の履行を前進させることが不可欠である。TPNW は、核兵器を包括的に禁止する法的拘束力のある条約であり、これにより締約国は核軍縮と核不拡散を前進させ、NPTに弾みをつけることで合意している。
33. われらは、すべての国に対し、核軍縮と不拡散体制の礎石であるNPTを支持し強化することにより、軍縮と不拡散の枠組み全体を強化することに協力するよう強く促す。NPTの約束の履行に全面的に取り組む締約国として、われら、TPNW の締約国は、TPNW とNPTの完全な補完性を再確認する。また、CTBTや⾮核兵器地帯条約を含む、より広範な核軍縮と不拡散体制とTPNWの補完性も強調する。われらは、これらの枠組みを維持および強化し、その共通目標を推進するというわれらの決意を再確認する。
34. われらは、⾮核兵器地帯が核軍縮、核不拡散、国際の平和と安全の強化に多大な貢献をしていることを認識し、南半球および隣接地域におけるすべての非核兵器地帯が現在発効していることに満足をもって留意する。われらは、各国に対し、このような地帯が地球を覆うようにさらに拡大させ、相互に補強し合う協力を強化するよう求める。また、特に、既存の条約および関連議定書の批准、ならびに、そのような地帯を設立する条約の趣旨および目的に反する留保または解釈宣言の撤回または修正を通じて、すべての既存の非核兵器地帯の継続的な強化の重要性を認識する。また、中東を含む、現在そうした地帯が存在しない地域における非核兵器地帯の創設を求める。
35. われらは、先に参加した諸条約から生じる義務の履行を完了する場合であって、その義務が TPNW の義務と抵触しないときには、TPNW とその趣旨および目的とに対するわれらの約束の履行が影響を受けることはないことを再確認する。われらは、この条約の目的および目標を効果的に実施するために必要なあらゆる措置をとるものとし、この条約とその趣旨および目的に関する一貫性を確保するために、われらの国際的および二国間での義務を⾒直し続ける。われらは、すべての非締約国に対して、この条約の趣旨および目的の実施に悪影響を及ぼし得るいかなる活動も差し控えることを求める。
36. 国際社会は、核分野における進化する技術に対処しなければならない。その一部の応用は、TPNW の趣旨および⽬的を損なう可能性がある。核兵器システムに組み込まれた新技術は、誤算、エスカレーション、制御不能の度合いを高めることで、意図的、偶発的、または事故による核兵器使用のリスクを高める。核兵器の指揮、管制、通信システムにおける脆弱性は、不正操作や不正使用のリスクをもたらす。一方、人工知能による意思決定は、対応時間を早め、⼈的監視を減らし、さらには、意図しない発射システムの起動のリスクを高める可能性がある。これらの技術の影響を十分に理解しないまま導入することは、核の危険性をさらに高める。
37. 核兵器の完全廃絶に至るまでは、核武装国は、軍事分野における人工知能技術の発展との関連で、核兵器とその運搬⼿段に対して、意味のある人的管理を維持しなければならない。しかし、技術的な安全対策だけでは不十分であり、核兵器が存在する限り、核兵器は脆弱性を抱えたままである。すべてのリスクを除去する唯一の方法は、核兵器を廃絶することである。
38. われらは、すべての国、国際機関、議員、市民社会、科学者、金融機関、若者、ならびに先住民族を含む核兵器の影響を受けている地域社会および個人と、包摂的なアプローチを通じて協働し続けることをあらためて誓う。
39. われらは、国際社会のすべての構成者間の信頼を醸成し、最上位にある国際公益である核兵器のない世界を実現し維持する必要性を再確認する。TPNW締約国として、われらは核兵器の明確な拒絶を標榜し続け、その廃絶に向けてたゆまず努力する。
40. われらTPNW締約国は、エスカレートする核の危険に立ち向かうという揺るぎない決意のもとに結束している。核兵器の完全、検証可能かつ不可逆的な廃絶は、単なる願望ではなく、世界の安全と⼈類の生存にとって不可避の要請である。われらは、この条約の効果的な実施と普遍化が、核兵器の使用、実験、使用の威嚇が決して行われないことを確保すると確信している。われらの目の前にある諸課題は、条約へのすべての国の参加を促進する中で、克服できるし、克服するだろう。核兵器禁止条約(以下TPNW)の署名国、批准国の広がりが示すように核兵器廃絶への展望が開かれつつある中、「核抑止」論にしがみつく核保有国とその影響下にある国と、この「核抑止」論を批判し克服する国と市民社会との間の理論的対決軸がますます明らかになりつつある。この「対決軸」をより一層鮮明にすることで、核兵器にすがる勢力を孤立させる必要がある。2025年3月に予定されているTPNW第3回締約国会議では、「核抑止」論の克服が重要議題の一つとなる。原水爆禁止2024年世界大会の国際会議宣言では、この「核抑止」論の克服に、「市民社会として、積極的に貢献していかねばならない」としている。同感であり、本会の活動を通じて私もこれに貢献したいと思う。そのための私なりの「核抑止」論批判のいくつかの視点を示すことで議論に供したい。
