25年6月7日に開催した第39回全国総会で採択した「国民のみなさんへのアピール」は以下のとおりです。
国民のみなさんへのアピール
被爆・戦後80年―「核兵器のない世界」「非核の政府」の実現へ力を合わせよう
みなさん
世界では、ガザ危機、ロシアのウクライナ侵略など、無法な殺戮と破壊がいまも続いています。ジェノサイドを新たな段階にエスカレートさせ、「動く者すべてを攻撃する」などというガザ住民の悲惨な状況を極限化するイスラエルの蛮行は断じて許されません。「ガザのジェノサイドを直ちに中止せよ」「ウクライナからロシア軍の即時撤退・戦争終結を」、「国連憲章と国際法を守れ」の声をともにあげましょう。
私たちは本日、被爆・戦後80年の節目に第39回全国総会を開き、核使用の威嚇、核態勢の維持強化を核保有国と核依存国が強めているもとで、唯一の戦争被爆国から被爆の実相、核兵器の非人道性を国内外にさらに大きく発信し、「核兵器も戦争もない平和な世界」にむけて、「核兵器禁止条約(TPNW)に参加する政府」の実現、「非核の政府」への展望を切り開く決意を固めあいました。
みなさん
TPNWは発効から4年半。批准は73ヵ国、署名は94カ国を数え、「核兵器のない世界」に向けた〝希望の光〟として、この流れは確かな進展を見せています。今年3月の第3回締約国会議は、採択した政治宣言で、「核兵器の完全かつ検証可能で不可逆的な廃絶は、単なる願望ではなく、世界の安全保障と人類の生存にとって必須である」として、核兵器廃絶への揺るぎない決意を表明しました。核保有国・核依存国が安全保障の観点から必要だとしている「核抑止」論について、「核兵器は、すべての国家の安全保障、ひいては国家の存立を脅かす」として、核使用が前提の議論をきびしく批判しました。
5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議第3回準備委員会でも、締約国の多くが「核抑止」論を批判し、核保有国に「自国核兵器の廃絶約束」の履行を迫って、核保有国の孤立ぶりを浮き彫りにしています。
このとき日本政府は、「核兵器の開発や使用の威嚇までを全面的に禁じる核禁条約は核抑止と相いれない」などと第3回締約国会議へのオブザーバー参加さえ拒否し、国連総会でのTPNW参加を促す決議に7年連続で反対して、あくまでTPNWに背を向け続けています。 唯一の戦争被爆国民の意思は明確です。直近の世論調査でも、TPNWに「加盟するほうがよい」が73%、「日本は米国の核兵器の力に頼ることが必要とは思わない」が55%、「日本政府は世界から核兵器をなくそうと真剣に取り組んでいるとは思わない」が77%となっています(「朝日4月27日付」)。日本被団協のノーベル平和賞受賞を機に、いまこそこの声にこたえる政治にチェンジしようではありませんか。
みなさん
6月の東京都議選、7月の参議院選挙は、昨年の総選挙で自公が少数与党に転落したもとで始まった「新しい政治プロセス」を前にすすめる重要な選挙戦です。
石破政権は発足から8カ月。一部野党を取り込み延命を策してきましたが、早くも破綻があらわになりつつあります。物価高騰への無策のなか、消費税減税と責任ある財源論、コメ問題などとともに、「アメリカいいなり」でいいのかが国民的な大争点になっています。
トランプ政権に「日米同盟絶対」でつき従い、石破政権がおし進める大軍拡、敵基地攻撃能力の保有、自衛隊を米軍指揮下に組み込む体制づくり、辺野古新基地建設強行、「拡大抑止」=「核の傘」強化でいいのかが鋭く問われています。憲法改悪など、歴史の逆行を許してはなりません。大軍拡は、くらしや医療、福祉、教育、農業予算を圧迫し、国民生活をいっそう苦しめます。いまこそ「アメリカいいなり」をやめ、憲法9条を生かした平和外交で、戦争を決してしない東アジアをつくりましょう。
「学問の自由」「思想・良心の自由」を侵害し、学術会議の独立性を奪って、軍事研究をはじめ政府や財界の意に沿う方向に学術界を動員しようとする日本学術会議「解体」法案の徹底審議、廃案を強く求めます。
東京電力福島第一原発事故から14年。石破政権は、原発事故などなかったかのように「第7次エネルギー基本計画」を策定し、原発の「最大限活用」に舵を切っています。福島では、今もなお故郷に戻れない方々が数万人もいます。廃炉の見通しもまったくなく、原発事故は収束していません。二度と原発事故の被害を生まないためには、早急に全国の原発の運転を停止し、省エネルギーとともに再生可能エネルギーの拡大と主力電源化で脱炭素・原発ゼロの日本をつくることがどうしても必要です。
目前の2つの選挙は、国民の非核平和、暮らし・福祉の願いに反した自民党政治を終わらせ、おおもとから政治を転換する歴史的チャンスです。政治の「裏金」の温床となっている企業・団体献金の禁止を求め、アメリカにつき従う政治、「戦争をする国づくり」にきっぱり反対し、被爆者や市民社会とともにTPNWを当初から推進してきた政党の躍進で、「TPNWに参加する日本政府」を実現する展望を切り拓くために力を合わせようではありませんか。
みなさん
広島と長崎への原爆投下から80年。被爆者と日本の原水爆禁止運動は、原爆投下とビキニ水爆実験の痛苦の体験から、核兵器廃絶を世界に訴え、人類史上初のTPNW誕生と新たな核使用を許さない世論づくりに貢献してきました。いま、この条約をいっそう前に進め、核保有国を包囲し、「核兵器のない世界」を実現していくうえで、私たち被爆国の市民社会の役割はいよいよ重要となっています。 原水爆禁止2025年世界大会が8月3日~9日、被爆地の広島・長崎で開催されます。来年4月にはNPT再検討会議が、11月にはTPNW再検討会議がニューヨークの国連本部で開かれます。世界大会を大きく成功させ、被爆の実相と核兵器の非人道性、安全保障のためにも核兵器廃絶が必須であることをさらに強く発信して、「核兵器のない平和で公正な世界」をともにめざしましょう。
