2025年・年頭声明
24.1.31 非核の政府を求める会常任世話人会
〇 激動の情勢のなかで被爆・戦後80年の新しい年を迎えました。昨秋の総選挙で、自民・公明の与党は「過半数割れ」の歴史的大敗を喫しました。新しい政治を求める、主権者国民の模索、探求の始まりです。世界もまた、ウクライナ、ガザ、シリア、韓国、米国等々、激動の真っ只中です。〝軍事対軍事〟の政治の逆流は重大ですが、大国や権力の身勝手が通用しないことも、今日の国際社会の大きな特徴です。
いま、世界の大局をみれば、対話と包摂で平和をつくる流れ、「核抑止」と決別して核兵器廃絶をめざす流れなど、非核・平和の本流がとうとうと前進しています。なかでも日本被団協(日本原水爆被害者団体協議会)のノーベル平和賞受賞は、「核のタブー」の今日的な重要性に光をあて、「核兵器のない世界」を願う人々に大きな確信と勇気を与えています。
国民のみなさん。被爆80年の節目を、国連憲章と核兵器禁止条約、日本国憲法9条を拠り所に非核・平和の日本と世界を実現する歴史的な転機の年としようではありませんか。
〇 世界で〝核兵器違法化〟の流れが広がり、広島・長崎の被爆者がノーベル平和賞を受賞した今ほど日本政府の被爆国としての役割発揮が求められるときはありません。ところが石破政権は、核兵器禁止条約への参加を促す国連決議に反対票を投じ、同条約第3回締約国会議(3月)へのオブザーバー参加さえためらっています。そればかりか昨年末、日本が米軍の核兵器使用戦略に加担する、核兵器使用基準の「指針」づくりまで踏み込み、「日米同盟をさらなる高みに引き上げる」と公言しています。これでは、有事の際に米国の核兵器を日本に持ち込む「核密約」を実行することになります。こんな暴走を許すわけにはいきません。
核兵器のない世界を求める国民の意思は明白です。日本政府に核兵器禁止条約への署名・批准を求める自治体意見書は、昨年末の長崎県議会での全会一致をはじめ697地方議会に上っています。被爆者や各界各層の人たちが呼びかけた同趣旨の署名は172万筆超に達しています。石破政権が、「私たちが生きているうちに核兵器をなくしてほしい」との被爆者の悲願に背を向け、国民多数の声を無視し続けるなら、私たち主権者国民の意思と力で「核兵器禁止条約に参加する政府」「非核の政府」を実現するほかありません。
〇 ことしは沖縄戦終結80年です。先の戦争で沖縄は、本土決戦のための「捨て石」とされ、県民の4人に1人が命を落とす戦場となりました。「沖縄では、戦争が過ぎ去った過去の出来事として完了することがない。…米軍による事件事故や爆音に接するたびに、沖縄戦の記憶がよみがえる。…基地によって日常生活が脅かされるようなことがない当たり前の暮らしは、いつになったら実現するのだろうか」(「沖縄タイムス」1月1日付「社説」)。この県民の願いを踏みにじって、いま、米軍辺野古新基地建設が強行されています。住民の土地を取り上げて80年間も米軍に使わせ、さらに「200年の耐用年数を持つ」新基地をつくって提供しようとする政府は、世界中で日本だけです。住民の意思も地方自治も一顧だにせず、技術的にも破綻が明白な建設工事への巨額の税金投入は言語道断です。〝南西諸島や沖縄の戦場化〟を許してはなりません。玉城デニー県知事を先頭にした「オール沖縄」の力と全国の声を一つにし、「普天間基地の無条件撤去!」「辺野古新基地建設を中止せよ!」「南西諸島のミサイル基地化は止めよ!」の運動を巻き起こそうではありませんか。
〇 石破政権がスタートして3ヵ月。与党の〝衆院過半数割れ〟で、国会の景色はがらりと変わりましたが、施政方針演説でも自公政治の行き詰まり打開策を示せず、腐敗政治や外交でも、選択的夫婦別姓制度などジェンダー平等をはじめくらしの問題でも、国民の願いとの溝は深まるばかりです。
国民のみなさん。核兵器禁止・廃絶の流れも、衆院与党過半数割れの流れも、キーワードは〝主権者国民の力〟ではないでしょうか。先のNHK朝ドラ「虎に翼」の主人公の「おかしいと声をあげた人の声はけっして消えない。その声がいつか誰かの力になる日がきっとくる」との言葉は、差別や人権侵害に苦しむ当事者や行動する人々を励まし、共感を広げました。今夏には主権者の意思を示すべき東京都議会議員選挙、参議院議員選挙が行われます。「戦争する国づくり」打破、核兵器禁止条約参加をめざす政党の前進で、「国民が主人公の政治」「非核の政府」実現の展望を切り開こうではありませんか。
3月には核禁条約第3回締約国会議が、4月には2026年核不拡散条約再検討会議の第3回準備委員会が開催されます。まもなく3・1ビキニデーを迎え、8月には被爆80年の原水爆禁止2025年世界大会が被爆地で行われます。これらを節目に「核兵器は1発たりとも許さない」「日本政府は核兵器禁止条約に参加を!」の声と運動を広げに広げようではありませんか。ことしを「核兵器のない世界」実現の歴史的な転機の年とするために力を合わせましょう。
